「暮らしを見せる収納」で共感を呼ぶシーン作り
近年の住宅展示場では、家事動線の最適化や時短につながる収納提案がトレンドとなり、収納空間のバリエーションがますます増えていますが、収納を「ただ隠す」だけでは生活感がなくなり、住まいのリアリティが伝わりにくくなる場合も。そこで私たちが力を入れているのが、“見せる収納”と“魅せる収納”のスタイリング演出。今回ご紹介するのは、住友林業様から依頼を受け弊社で手掛けた新築展示場の小物演出=スタイリングの実例です。

ハウスメーカーの新展示場スタイリング
収納スペースが豊富に設計されたこのモデルハウスでは、水回りの収納以外にウォークインクロゼットや壁面収納の事例提示のために、実際の収納物としてのディスプレイ小物が多数必要でした。 まずは、旧展示場に保有されていた食器や花器、クッションやアートを中心に、そのまま活用できるもの・再生やアレンジが必要なものを見極めることから私たちの仕事は始まりました。
カラーや素材、テイストが古くなったアイテムも、スタイリング次第で今のトレンドに合った小物に生まれ変わります
家具・アートの再生や古物活用で深みをプラス
当社では、古物商の許可資格を活かしたアンティークや古物を使ったスタイリングも得意としています。
展示場やモデルルームの演出においては、すべてを新品で揃えるよりも、時間の経過や家族の営みを感じさせるアイテムを加えることで、空間に「家族の歴史」や「物語」が生まれます。今回は、昭和初期の長火鉢を、観葉植物の鉢カバーとして使い、その家が受け継いだ家族の記憶、温もりのある思い出として演出しました。既存のアートや大切な家具の塗り替えや張替えなどをして、空間にフィットさせることも求められる事が多くなった今、コストやエコの観点からも、ひと工夫して、付加価値をつけて再生をする提案を大切にしています。


圧巻の“本棚スタイリング”で、家族の世界観を語る
最も印象的だったのは、2階の天井まで届く階段室の大きな書棚。ここには、背表紙の美しい洋書や古書を大量にセレクトし、色味・タイトル・高さ・置き方まで丁寧に計画。家の中心にあるダイナミックな収納は、家族の趣味や歴史が感じられ、家族のストーリーを語り掛けます。
本と一緒に飾ったオブジェや地元陶芸アーティストの作品なども、空間の世界観を形づくるうえで重要な要素となっています。「こんな家で、こんな暮らしがしたいな・・」と感じてもらえる印象に残る演出が、住宅展示場の価値を高めます。
“共感を呼ぶシーン”をつくる
モデルルームや展示場のスタイリングは、限られた予算内でどれだけ共感と印象を残せるかが鍵です。私たちは、既存の小物・古物・再生アイテムを活かし、流行の要素を取り入れながらも「家族らしさ」や「物語性」を加えるスタイリングをご提案しています。「収納を見せる・魅せる」ためのインテリア演出や、再生スタイリングのご相談も随時承っております。
展示場やモデルハウスの価値をもう一段引き上げたいとお考えのご担当者さま、ぜひ一度ご相談ください。
投稿者プロフィール

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住まいづくりの現場で長年培ってきた経験をもとに暮らしに役立つアイデアや、インテリア選びのコツをお届けしています
白磁や李朝家具、望月通陽さんの作品など、静けさの中に美しさを感じるものが好きで、骨董・古物が似合う空間や、時間を重ねたようなインテリアに惹かれます
このコラムでは、私自身のインテリアや日々の気づきも交えながら、皆さまの暮らしにそっと寄り添うヒントを綴っていけたらと思っています